光触媒技術で、地球環境を守る

用語解説

表示や用語の解説

(1)光に関わる用語

a)紫外線

生活に身近な光には、赤外線、可視光線、紫外線などがあり、可視光線の赤色よりも紫色の方がエネルギーは高く、その紫色よりもエネルギーの高い領域の光を紫外線と呼びます。酸化チタン光触媒が利用できる紫外線を発する人工光源は、JIS R1709に規定されています。

b)太陽光

夏の強い日差しで日焼けするように、太陽の光は紫外線を含んでいます。そして、この紫外線を酸化チタン光触媒が利用します。

(2)抗菌に関わる用語

a)抗菌

製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態。

b)光触媒抗菌加工

光触媒の抗菌機能を利用するため、塗布、含浸、練り込みなど種々の方法によって光触媒を担持すること。

c)抗菌効果

光触媒抗菌加工が、“抗菌”であるかどうか判断する試験方法が、板状製品と繊維状製品のそれぞれについて、JIS R1702に規定されており、この試験方法から求められた“抗菌活性値”で判断する。用語の関係を表1に示します。 同様に、“抗かび”性能があるかどうかを評価する試験方法が、JIS R1705に規定されています。

d)抗菌活性値

光触媒抗菌加工した製品と無加工製品に細菌を接種し、光照射後の生菌数を測定し、無加工製品に対する光触媒抗菌加工した製品の生菌数の対数値の差。この値には、光を照射しない条件で得られる生菌数の減少分も含まれる。

e)光照射の効果

光触媒抗菌加工した平板状製品に細菌を接種し、光照射後の生菌数と暗所に置いた生菌数とを測定し、暗所に置いた後の生菌数の対数値と光照射後の生菌数の対数値との差。

 平板状製品繊維製品計算式
抗菌活性値光触媒抗菌加工製品の抗菌活性値:R光触媒抗菌加工繊維製品の静菌活性値:S光照射後の生菌数を測定し、無加工製品に対する光触媒抗菌加工した製品の生菌数の対数値の差。
光照射の効果光触媒抗菌加工製品の光照射による効果:ΔR光触媒抗菌加工繊維製品の光照射による効果:ΔS光照射後の生菌数を測定し、無加工製品に対する光触媒抗菌加工した製品の生菌数の対数値の差。
表1 板状製品と繊維状製品の用語対比

(3)セルフクリーニングに関わる用語

a)セルフクリーニング性能の評価方法

“汚れを分解する現象”と”汚れが洗い流される現象”のそれぞれを評価する試験方法が、JIS R1703-2(湿式分解性能)と、JIS R1703-1(水接触角の測定)に規定されています。

b)親水性

材料の表面において、水とのぬ(濡)れがよい性質。

c)接触角

一般に、液体を水平な固体に付着させたときに、液体の曲面に接線を引いたとき、この接線と固体表面とのなす液体側の角度のこと。水の接触角を水接触角という。

(4)空気浄化に関わる用語

空気中の汚染物質を浄化する性能を、評価する試験方法が対象とする汚染物質に対してそれぞれ、JIS R1701-1(NOx除去)、JIS R1701-2(アセトアルデヒド除去)、JIS R1701-3(トルエン除去)に規定されています。

(5)水質浄化に関わる用語

水中の汚染物質を浄化する性能を、活性酸素生成能力測定によって評価する試験方法がJIS R1704(DMSO分解)に規定されています。

(6)抗ウイルスに関わる用語

a)抗ウイルス効果

抗ウイルス効果を有するかどうか判断する試験方法が、JIS R1706に規定されており、この試験方法から求められた“抗ウイルス活性値”で判断する。

b)抗ウイルス

光触媒の表面におけるウイルスの活性(感染能)を抑制する状態。

c)バクテリオファージ

細菌に感染するウイルスの一種。JIS R1706で光触媒の抗ウイルス効果を評価する対象ウイルスに用いられている。